役職定年で会社を辞めたい。それは本当に「辞めたい」のでしょうか
2026年09月09日 16:32
「部長でなくなるなら、この会社にいる意味はない」
「年下の上司の下で働くくらいなら、辞めたほうがいい」
役職定年が近づくと、このような気持ちになる方もいるのではないでしょうか。
これまで長い間、責任ある立場で仕事をしてきた人ほど、役職を外れることへの抵抗は大きいものです。
ただ、ここで一度考えてみたいことがあります。
辞めたいのは会社でしょうか。
それとも、役職を失った自分を受け入れにくいのでしょうか。
役職は思っている以上に「自分の一部」になっています
会社員として長く働いていると、役職は単なる肩書ではなくなります。
「○○部長」と呼ばれ、部下がいて、会議では意見を求められる。
取引先からも役職名で呼ばれます。
それが20年、30年と続けば、
「自分=部長」
「自分=管理職」
という感覚になっていても不思議ではありません。
だからこそ、役職定年による喪失感は、給与が下がることだけでは説明できません。
「自分の価値まで下がったように感じる」
そんな気持ちが隠れていることもあります。
「プライドがあるから辞める」は悪いことではありません
プライドという言葉には、少し悪い印象があります。
しかし、長年責任を持って働いてきた人に誇りがあるのは当然です。
大切なのは、プライドを捨てることではありません。
むしろ、
何を誇りにしてきたのか
何を失うのが嫌なのか
役職がなくても残るものは何か
自分がこれから大切にしたいものは何か
を整理してみることではないでしょうか。
「元部長として扱われないこと」が嫌なのか。
それとも、
「仕事内容そのものに魅力を感じなくなった」のか。
この二つでは、辞める意味がかなり違ってきます。
役職ではなく「仕事」で考えてみる
一度、肩書を外して考えてみませんか。
例えば、こんな問いです。
今の仕事そのものは嫌いでしょうか
今の会社には、まだ関わりたい仕事がありますか
給与が下がっても、働くメリットはありますか
管理職ではなく、専門職として働くことはできますか
年下の上司の下で働くことの何が一番気になりますか
会社を辞めたあと、何をしたいのでしょうか
特に最後の問いは大切です。
「役職定年になりたくないから辞める」
というのは、言葉がキツイかもしれませんが、
現在から逃れる理由です。
一方で、
「○○をしたいから辞める」
というのは、これからに向かう理由です。
同じ退職でも、その意味は大きく違います。
役職定年を前にして辞めたいと思うこと自体は、不自然ではありません。
ただ、「役職を失いたくない」という気持ちと「会社を辞めたい」という気持ちは、
一度分けて考えてみてもよいのではないでしょうか。
役職がなくなったあとも残る、自分の経験や人間関係、専門性。
それらも含めて考えたうえで、「それでも辞めたい」と思えるか。
答えを出すのは、それからでも遅くありません。
ななつ星これからライフキャリア相談室では、役職定年を前にした「残る・辞める」の迷いを一緒に整理しています。
一人で考えていると同じところをぐるぐる回ってしまうと感じたときは、一度話してみませんか。